sakanatonikuの日記

料理、アニメ、映画鑑賞と作詞作曲(趣味)

ゲゲゲの謎見た

 

田舎の田園風景の描写が非常に美しかった。トトロのさつきの村のような親密な風景ではなく、抽象的な「日本の田園風景」である。美しさと同時に、どこか違和感を感じた。

 

トトロを作ったアニメーターや背景画家の方々は「懐かしい懐かしい」と言いながら描いたらしい。だからトトロは穏やかで暖かく、懐かしい田園風景となった。ゲゲゲの田園風景が寒々しいのは狙ったものか、あるいはスタッフが田舎の田んぼにリアリティを感じる年代ではなくなったからか。おそらくは両方だろう。ゲゲゲの村社会は親密な空間ではないから、結果は正しい。

 

 

ネコ娘は二度見した。スタイルの良い美少女になっている。どういうことか。鬼太郎と並ぶ姿はほとんどラブコメである。時代の流れである。

 

キーパーソンとなる和風美少女をどこかで見たな。と思ったらフリーレンのフェルンであった。髪を黒くし、和服を着て、カラコンを外しての登場。(違う

 

内容はてんこ盛りである。理不尽な軍隊。敗戦。戦後の混乱。昭和の地方村社会の闇と謎(横溝正史的)。妖怪と人間との関係。水木しげる。鬼太郎前日譚。ちゃんちゃんこ。恐らくは「今・パプリカ・敏」へのオマージュも少々。

 

これほど大量に盛り込んでさほど破綻していないのは見事である。見終わった後に少々「?」マークが残るが、謎解きとして解釈を楽しんでもよいし、「?」の余韻に浸るのもよし。

 

 

やはり見どころは鬼太郎父と水木しげるのタッグだろう。「バディもの」というらしい。カッコよく描かれていたようだ。正直、おっさんの僕にはピンと来なかったが、女性の観客が多いと聞いて納得である。

 

しかし鬼太郎コンテンツも長いな、と感心する。オリジナルの漫画はかなり陰鬱な雰囲気だったはずだ。そういえば学校の図書館には水木しげるイラストの妖怪本があって、繰り返し読んだものである。インターネットとスマホ以前の子供にとっては、まだまだ妖怪には少々のリアリティが残っていたのだ。(心霊写真とかお盆の心霊番組とかね)

 

他に妖怪コンテンツと聞いて思い浮かぶのはやはり夏目友人帳か。そこでは妖怪はもはや神秘的でも恐ろしい存在でもない。むしろ人間にいじめられ、利用される存在である。

 

呪術廻戦はちょっと違うか。あれは人間の呪いとか恨みが力を持つ的な設定ではなかったか(調べない)。

 

今の時代、恐ろしいのは妖怪ではなく人間なのである。