万年筆。
文具がお好きな方なら、一度は使ってみたことがあるのではないか。
ボールペンは安くてとても実用的だけど、なんだか無味乾燥だ。
スマホメモでは長い文章を書くのは難しい。
万年筆でじっくり文章を書く。なんだか素敵だ。
ワクワクしながら買って、いざ使ってみると、絶妙に不便だ。ボールペンの方が断然気楽なのだ。その辺に転がっているボールペンを雑に取り上げて、そのまま書き殴って構わない。万年筆はペンケースから取り出して、指を汚さないようにキャップを外してちゃんと握り、じっくり一字一字書き込みたい。
ボールペンと同じ感覚で雑に取り回すと、手は汚れるし、うっかり落とせばとんでもないことになる。そこらのコピー用紙に書くと滲んで汚い。じきにうんざりしてボールペンに戻るのだ。
ボールペン最強である。
しかし、やはりボールペンよりも万年筆に適した書き物がある。
日記である。
昨年末から日記をつけ始めた。
動機は胃腸の調子がイマイチな期間が続いていたので、食べたものや生活のログを取るため。
その後、うわごとのように思いついたことを書き入れたり、ブログのネタにしたり、適当に文字を埋めている。今は休肝ログにもなっている。
今のところ特に恩恵は感じていないけれど、生活の区切りになるし、振り返りにもなるし、なんとか続いているところだ。
後はブログメモ。
ネタになるかな?と思ったことを、なるべくメモするようにしている。実際、取ったメモを元にブログを書くことは多く、ブログが捗っている。(このブログが捗ったからどうした、といわれるとツラいけど)
ボールペンでは書き殴れてしまうので、それに引きずられて思考が上滑りになりがちだ。断片的な文章にもなる。
万年筆でカリカリゆっくり書き込むと思考も落ち着く。より質の高いブログ草稿ができる(当社比。
慣れると指も汚さないし、落とさないようになる。
楽しい万年筆ライフである。
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万一、このブログを見て「万年筆買ってみようか」と思われた方のために、僕なりのご提案を書く。考え方の一つであって、万人に当てはまる正解ではない。もちろん。
できれば一気にEF、F、M(細・中・太め)の3種類を揃えてしまうのがよいと思う。
もちろん廉価ラインナップ。三本買っても5,000円でお釣りがくるはずだ。それぞれ微妙に書き味は異なる。
さすがにそれはもったいない?では、せめて二本。
主にメモ帳に小さく書き込む用途ならEFとF。
B5、A4ノートにわりと大きめの文字を書くのなら、FとM。
どちらの用途もあるなら。うーむ、EFとFだろうか。いや、Mのたっぷり贅沢な書き味も捨てがたい。やっぱり三本買うのがおすすめだ。
複数持って気分で使い分けると楽しく飽きない。というのもあるし、一本だけだとボールペンに逃げがちだ。というのもある。複数あれば「おい。せっかく買ったんだから、どれか使えよな」とプレッシャーがかかる。
しばらく使って愛用できそうなら、一番気に入ったサイズをランクアップすればよい。(ただし、EFは一気に値段が上がる可能性がある)
注意点は一つ。各社インクカートリッジに互換性がないこと。
たまに使う程度なのに、PILOT、セーラー、ペリカンその他、それぞれのインクを準備するのはもったいない。当面のあいだ一社に万年筆ライフを預けるのが安上がりだ。最初の数本もそれを見越して選ぶのがよい。
ってことはまあ、PILOT の KAKUNO がおすすめ、ということになってしまうのか。関係者ではないし、アフィリンクも貼らないよ。EF対応廉価シリーズが他社にもあって僕が知らないだけ、という可能性もある。正しいかどうかは保証しない。一つのご提案である。
文字は書かないと忘れるし、どんどん汚くなる。
紙に書くと簡単に編集できないから、一行一行慎重に考えるようになる。
万年筆で文字を書くのはよい訓練になるのだ。