アニメを見る側にも心構えが必要だと分かってきた。
キーワードは三つで、
- 無心
- 全力
- 無防備
である。
一言でいえば「童心に帰る」ということになるだろう。
ちょっとでも大人の思考が割り込むとアニメを楽しめない。
「お前らのような女子高生がいるか(怒」
フィクションに腹を立てるのも馬鹿馬鹿しいことだ。
アニメだけではない。映画だってドラマだってそうだ。ちょっとずれるかもしれないが、浮世絵だって、村上隆のアートだって、ピカソの絵だって同じ。受け手の入力エリアを狭めてしまうと「異物」が何も入ってこない。何についても予断と偏見はとっぱらった方がよい。
以下3つは最近ハマってる恋愛もの。継続して追っている。
「君は放課後インソムニア」
「僕の心のヤバいやつ」
「事情を知らない転校生がグイグイくる」
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「君は放課後インソムニア」
お互いに問題を抱えた高校生男女のボーイミーツガールもの。
Amazonのレビューで評価も高めも、ここまで自分がハマっている理由は我ながらよく分からない。
「学校一の美少女が〜」とか「地味なインキャの僕がモテて〜」ではなく、両者ともに地味系の男女という珍しい設定。そして「いやいや、その展開ありえねーだろww」と思ったことがない。「うむ。そういう流れは全然おかしくはない」と思いながら見る。
「ちょっとした誤解で険悪になって、あとで二人で泣き喚きながら和解する」とか「ハラハラ無理筋イベントをぶちこんで何話かひっぱる」みたいな仕掛けもほとんどない。全般に抑制されたストーリー展開は、作者がキャラと世界観を大事にしてるからじゃないか、と想像する。それでいて全然退屈じゃない。作者のセンスがよい。
中高生の恋愛もので(特に男子の)性欲をどう扱うかは作品の性格を決める大事なポイントだ。この作品ではほぼ捨象してある。敢えて入れないのは良い判断である。賛成に一票。物足りない人は想像で補完だ。
説明的な独白はほぼ0で、キャラの表情とコマ割りの空間で見せる漫画も大したものである。作者の力だ。
アニメはかなり原作に忠実に作っている。漫画の空気や"間"を表現するのは難しいだろう。よくやっている(上から目線。
とかいってるうちにシーズン1完走してしまった。(シーズン2はないだろうな・・・
漫画はまだ途中。じっくり楽しみたい。
「僕の心のヤバいやつ」
冴えない主人公(市川)が、学校一の美少女(山田)にいろいろ構われ、イジられる。山田は市川に好意を持っているが、当の市川はイマイチ信じられない。山田に惹かれつつ微妙にすれ違うというラブコメ。
プロットだけみればしょーもなさそうだけど、ちゃんと面白い。Amazonの評価も高めで、以前「はてブ」にも定期的に上がっていた記憶だ。
主人公(市川)は冴えない設定だが服装は気を使ってるし世界観も持っている。考え方は真っ当でいい奴だ。モテることにそんなに違和感はない。美少女(山田)の天然ボケキャラ描写もあざとくなく、好感が持てる。
二人の心象の描写が繊細で面白い。ありがちな「学園一の美少女が冴えない僕にどうこう」なラブコメとは一線を画している。
キャラもストーリーも「ちょうどよくいい感じ」だ。まったり進むのがポイントだろう。結構楽しみに見ている
1〜3巻がアマプラで無料だったので漫画も読んでみた。漫画の方が情報量が多くて濃い。アニメだと、独白入れすぎると白々しいとか、ちょっとした描写を入れようにも見落とされる可能性があるとか、意外と制約があるんだろうな、と想像する。
「事情を知らない転校生がグイグイくる」
死神と揶揄され、軽くいじめられている地味な女の子がスーパー陽キャ転校生の男子にモテまくる話。
男子の描き方がクリーン過ぎるものの、小学生おバカ男子なので許される。ニヤニヤと平和に、温かい気持ちで追えるアニメであった。
先日無事シーズン1終了。(これもシーズン2はなさそうだな。と予測)
念のため(?)漫画も買ってみた。かなり忠実なアニメ化だった、と確認。
しかし、太陽くんが思春期になったらまあいろいろ波乱があるだろうなと思う。二人の未来は、敢えて想像も予想もしないのがよさそうだ。