在宅ではいろいろ気が散るから、読まなくてもいいような本はなかなか集中できない。
それでも読まなきゃいけない本や、仕事がらみの本は在宅でも頑張って読む。
読まなくてもいい本を通勤電車で読んでいたが、リモートワークでは読めなくなった。
読まなくてもいい本であっても優れた本がある。読んだ方が人生が豊かになる。リモートワークは他のメリットが大きいから仕方ないとはいえ、微妙に困っているところだ。
読書
胸糞小説とか鬱小説とか後味が悪いとか、あまりいい噂を聞かないやつ。
図書館で、ふと何となく手に取った。
結論から書く。
大傑作である。
リアルかつ抽象的な(両立するのだ)素晴らしい寓話であった。
確かに10代で読んだら嫌なストレスを感じるかもしれない。
しかし、20代後半、仕事でリーダー・サブリーダーになるまでには読みたい。必読書とすら思う。大なり小なり組織の中でリーダーシップを取って苦労してみれば、この小説がグサグサと刺さるはずだ。
一点突破の極論に乗せられる奴多いんだよな。ジョブズとかマスクとかも多分そう。結果が出るならいいけどさ。現実はより悪くなるケースが多い。
空気が変わると正論が通じない。
敵味方パラダイムの奴が大声出すとチームが終わる。
とかとか、もう「わかりみ」だらけ。
「若い頃に読んどいた方がよかったなあ」と思った。あまりこういうことは思わないのだが。
良い本である。
理想主義の思想のもとに結集した動物たちが、リーダーの権力闘争を経てガタガタになっていく話。もろ当時のソビエト、スターリン風刺である。でも、うまく寓話化してあるので面白く、汎用的だ。今の中国・北朝鮮を投影しながら読むのも容易である。八十年前(!)の小説だ。よくできている。
人間の本質をついた優れた本。ただどう読んでも全体主義・権力闘争風刺なので、「蝿の王」のような多面的な読み方はできない。
映画
最近アニメに意識がいっている。映画は低調だ。
「アメリカン・フィクション」
アッパーミドルに属するインテリ黒人作家が主人公。ハイブロウな自分の小説がなかなか売れないところに、不幸なイベントが重なって金に困る。思いつきで下層黒人テンプレ小説を書いてみたら大ヒットしそうになって・・・という話。
セリフは洒落てるし、退屈しない。よくできている。
ポリコレ風刺としては毒が弱いがそれでも気が利いていて面白い。
最後までみよう、と思ったら、半分ちょっとで完全に興味を失ってしまって、結局最後まで見ていない。
自分でも理由がよく分からない。結末の予想がつくからかな?それを言ったらほとんどの映画はそうだけど。
他にもサスペンスものを見かけて途中でやめたり。
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勢いとノリで話を展開させるようなエンタメ系の映画は、アニメと交互に見るには相性が悪いんじゃないか。
アニメと並走するなら、地味なミニシアター系に限る、ということか。
そんな気がしている。カリウスマキに戻るか。