子供が面白いと貸してくれた。
読んでみたら面白かった。
何といっても文体がいい。
文章だけでぐいぐい読ませる小説は、村上春樹以来かもしれない。
引っかかるところもなく、疲労も感じさせず、すっと頭に入ってくる。
日常ゆるい系に適度な緊張感が入るコンテンツも気に入った。
リズムがよい。構成力というよりセンスだろう。意識的に構成すると、むしろリズムが損なわれるのではないか。
軽々と読ませるのに、ちゃんと世界観があり、キャラが立っている。この辺りも村上春樹の風の歌・ピンボールを思わせた。
村上春樹の「風の歌を聴け」。当初はボロカスに言われたそうな。
確かに軽い小説だ。読んで圧倒されるわけではない。「僕にだって書けそうだ」とすら思える。今となっては「村上春樹の最初の小説だな」と身構えて読むから油断しないが、ぽっと出の新人の作品だと舐める人がいるということだろう。
バカにする人もいた「風の歌を聴け」。吉行淳之介が結構ゴリ押ししたとか何とか。村上春樹氏当人のエッセイに「どうも恐れ多い方」とあった記憶だ。
さすが吉行氏である。まさに先見の明。何を見出したんだろうね。「強靭な感性」とか書いてあったかな?大したものだ。
まあ文学賞なんてそんなもんだよな、と思う。人間が人間を選ぶんだから。政治的な要素、好き嫌い、売らんかな。いろんな意図が入るだろう。芥川賞だって玉石混交だ。「ああ・・・(察し。」という年も、ちらほらあるよね。(最近はあまり違和感はないと思うけど(フォロー
話がそれた。
何がいいたいかというと、この作家、後で大きく化けるか、あるいは少なくとも継続して高い品質をキープできるのではないか?と思えたのだ。楽しみである。
文体がいい、というのは強いのだ。
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子供が続編を買ってきたので読んだ。やはり面白かった。
アニメ化決定。と個人的に期待している。
絶対アニメ化されるだろう(?!。それも楽しみだ。
次回作が楽しみな作家なんてなかなかいない。
嬉しいことである。