(承前)
YAMAPというアプリの機能を使うと、山行のペースが分かる。
妻に僕の記録を見せると、なかなか速いという。何も考えずに大股で進んでいるし、トレラン勢を見ると「なにくそ」とペースを上げるからだろう。(バカである
活動記録上は妻の方が遅い。本来は遅い方が先を歩くのだろうが、経験値は断然妻の方が高い。今回は僕が先に自分のペースで好きに歩き、妻が様子を見ながら後を追う形になった。
道は吾野ほどキツくないのでガンガン進むと思いきや、見どころが多くてそこかしこで足が止まる。
水の轟音と激しい水流に感心してカメラに収める。
水が綺麗だ。
雨の翌日は普通茶色く濁るものだと思うけど、全くそういうことはなかった。
すげーなーと思いながら立ち止まってはパシャリ。
すぐ足元を大量の水が流れている。
落ちたらただじゃ済まないと思いながら撮影する。
切り立った岩場の細い道を歩く。その数メートル下に激しい水の流れがある。
僕の高所恐怖症も、こういう場所では発症しないようだ。
自然の崖ももちろん怖いが、人工構築物よりはマシである。
落石・倒木・山崩れの気配もそこかしこに感じる。
湿度の高い、ひんやりした空気が流れる。気温は間違いなく20度以下。
ときおり風呂の蓋を開けたような、熱く湿った空気の塊にもわっと包まれることがあった。なんなんだあれは。
滝がいっぱいある。(小並感
思い立って滝の名前をメモ撮影してみた。
振り返るにあたっては、何の助けにもならないようだ。
滝の質感と迫力を覚えている。
それでいいじゃないか。
鉄板を渡る必要もある。
渡った先で脚立に登り、岩を伝う。
スリリングかつ親切なトレッキングコースである。
トレッキングコースが普通に水浸しである。
ABCマートで売ってるスニーカーのような人もちらほらいた。大変だったんじゃないか。テンションは上がるだろうけどさ。
(続く)