(承前)
ポケモン電車から降りて駅前のビジネスホテルにチェックインする。
外観はかなり年季が入っていたので覚悟して入ったら、中はとても新しくて清潔だった。受付も感じがよい。
鍵を受け取って部屋に行くと、エレベーターの前に漫画が並んでいた。
この下にも結構な数のマンガが並んでいる。少女・少年・青少年マンガ、おっさん向け(エロではない)。一通り揃っている。もちろん君ソムも全巻そろっている。
部屋もキレイで感じがよい。”あたり”ホテルである。
荷物を置いて再び散歩に出る。
目的地の一つ、聖地「平野屋」の場所を確認。
駅からの道はちょっと入り組んでいて、最短ルートが分かりにくかった。迷うような道じゃないけれど。
Googleマップによると休業日で、その情報は正しかった。
明日は営業しそうな雰囲気がある。ひと安心だ。中央茶廊は残念だった。それでも、ここで食べられるなら全然悪くない。
ホテルへの帰り道、目つきの悪い猫と出会う。逃げずにこっちを見ていた。
午前中に写した仙対橋(これも聖地)を正反対から撮影した。
右の解体が進んでいる建物跡がかつての聖地”中山薬局”。見る影もない。
(店長が解体を決めたというニュース>TBS News 2024年5月1日(水) 18:23)
こちらも聖地 三島 金刀比羅神社。の跡地。
海が近い。見に行ってみた。
ガソリンスタンドも折れている。
ホテルに戻ってシャワーを浴びて、夕食に向かう。
Googleマップで最寄りの「営業中・高評価」の居酒屋に行ってみたら閉まっていた(そんなもんよ)。
少しだけ歩いて別の「営業中・高評価」の近くの居酒屋に入った。
大衆居酒屋ではない。5,000円オーバーを覚悟する。
旅行中はビール解禁。
家にいるとピアノ弾いたりブログの草稿書いたり耳コピしたりアニメ見たり、といろいろやることがある。酒を飲まなくても時間は潰せる。
旅行の夜は、酒飲んでぼーっとするしかない。
やることないな、と思いながら酒をいただくのもたまには悪くない。
突き出しは冬瓜の煮物。あっさり上品。
バイ貝、カンパチ、甘えび、カジキマグロ
能登のお酒、宗玄。どっしり旨みのお酒。
アジ南蛮(撮影忘れ)
豚しゃぶサラダ(食べてから気がついて撮影)
能登名物 茶碗豆腐。豆腐であった。
それなりに満足した。(少食?)
身構えてお会計を待つ。
予想より1,000円くらい安かった。
外も涼しくなっていたのでほろ酔いで再び散歩。
お気に入りの 小島橋バス停 再訪である。
物語の始まりそうなバス停で大いに気に入ったのだ。
駅前以外の、街中ではあまり中高生を見なかった。
ひょっとして灰田君(君ソム脇役のチャラ男くん)のようにコンビニにたむろってないか?と思ってバス停最寄りのセブンイレブンに行ってみた。(ここも聖地だったはず)
残念ながら誰もいなかった。
七尾市の中高生は何をしているのだろうか。
ビジホから駅がよく見えた。
エレベーター前の本棚から借りてきた君ソムで復習。
聖地多すぎ&広範囲すぎで、全てを訪問することは最初から諦めている。
駅の海側をよく歩いた。雰囲気を感じられて満足だ。
時間があったので聖地コンビニで買った角ハイボール缶を飲みながら「猫のお寺の知恩さん」を読んでみる。
以前、「おもしろけりゃ買うよ」と、池袋のBOOK OFFで一巻を立ち読みしてみたら、なんだかピンとこなくて、そのまま保留にしていたのだ。
「猫のお寺の知恩さん」
最初に読んだ時の違和感を「オジロマコト氏が女性だった」と分かった今は言語化できる。
主人公”須田 源”君が、イマイチ魅力的じゃない。ダメというわけじゃないが、男が見て納得できる特徴的な魅力(カッコ良さ、優しさ、気が利いている、コミュ力など)がない。普通の”真面目でちょっと優しくていい奴”である。
それから頻繁に挿入されるお色気カットにも微妙に違和感。青少年向けラブコメマンガだから必然性はあるだろう(チェーホフの銃。って少し違うか)。腰や胸の描写が生々しいのに「エロい」感じがないのも、特に問題ない。妄想エロなど求めてない。作者女性と知って後で納得もしている。それはそれとして、主人公の反応がおかしい。
知恩さんの胸の谷間やらお尻の始まり?などが思わず目に入った後、須田君は自分の部屋で顔を真っ赤にして恥ずかしがっている。男子はこんな反応はしない、と思う。「幼い頃に仲良く一緒に遊んだ”いとこのおねえちゃん”が、美人になってしまった」という背景を踏まえても、なお違う気がする。
まず、男性マジョリティというものは、「絶対に見ない!見たくない!マジで!」と思っていても、女性の胸の谷間やら、腰回りなどに思わず視線が行ってしまうものである。例外は母親、姉妹、娘など、ごく近親くらい。ほとんど不可抗力なのだ。(コントロールできる状況ももちろんあるけどね)
あと、うっかり見てしまったあと、それが見てはいけない系の対象であればすぐに目を逸らせるのだが、うっかりうっかり「好ましい」などと思ってしまうと目を外すのに大変な労力がいる。筒井康隆は「バリバリベリベリと視線をはがす音がする」と書いた。そのくらい大変なのだ。
だから仮に「知恩さん」のような幼馴染みの美人お姉さんの見てはいけないものが見えてしまっても、「もう不可抗力だよ。仕方ない」と開き直るばかりだ。須田くんは若いから多少は顔を赤らめるようなこともあるだろうが、身悶えはしないだろう。すごく頑張って目線を外し、忘れようとするか、あるいは「この人は母ちゃん姉ちゃん妹と同じカテゴリなんだから、そういうことを考えてはいけない!」と悲壮な努力で記憶を上書きするくらいだろう。
(オレは何を一生懸命書いているのだ?)
そういうこともあって、知恩さんの下着を見て身悶えしている須田君には違和感を覚えて、そのまま保留にしたのだった。「いや、そうはならんやろ」というやつ。
オジロマコト氏が女性だと知った今は、その辺りを割り引いて面白く読み通せた。
意外だったのは結末。
完全に予想を裏切られた。
女性と男性の感覚の違いか。いや、男性であっても「予想通り」という人はいるだろう。僕が予想していた方の「こうならなかった」エンドがしっくりくるよなあ、などと今でも思ったりする。
血のつながらない親戚男女関係が甘酸っぱい、佳作マンガである。
(続く)