コード進行はtake 14
かなり苦しいコード進行だった。
さてさて、昨今話題の山下達郎氏について書いてみる。
いつもならこの手の炎上ネタは意図的にスルーするのだが、アラフィフとなり今後老いていく自分には他山の石とすべき学びがあるように思えたからだ。
前提として、僕は山下達郎氏の音楽を進んで聞くことはない。というより、日本語の歌をほぼ聞かない。Spotifyで流れてきても、数秒以内に気に入らない限りは(そんなことはほぼない)さっさとインスト曲に切り変える。
だから(?)僕には「山下達郎けしからん」などという資格はない。もっともファンだからといってどれほどの資格があるかは分からないけれど。
自分とは無関係の炎上事象として、暇つぶしに消費しているだけである。
おそらく数ヶ月もすればキレイに忘れ去れられるだろうが、Webを検索すれば色々出てくると思われるので、事実関係などはここで書かない。というか、僕も全ての事実関係を把握しているわけではない(もちろん)。
まず、松尾潔氏の発言は、無難で真っ当なものに思えた。上から目線ではあるものの、今の風潮に沿っている。ジャニー喜多川やべぇよ。これ、ちゃんと整理して、新たな被害者が出ないように、今後につなげないとダメじゃん?
御意。
山下達郎氏はそれを受けて松尾潔氏との関係を切り、それについてラジオで発言した。
これが酷かった。
「いっそ黙っておけばよかったのに」と多くの人が思ったようだし、僕もそう思った。
氏の発言をざっと読んで、僕は以下の印象を受けた。(Youtubeで実際の音声を聞いてみたら、突き放したような、不誠実さを感じる棒読みに耐えられず、数分で辞めた)
ジャニーさんが何をしてたかなんか知るかよ。関係ねーよ。お世話になったんだよ。すげー金になったんだよ。俺のファンでもねえくせに外野が文句言ってんじゃねーよ。俺のファンだとしても、この件が気に入らねーなら、もう俺の音楽聞かなくて結構だよ。
言うに事欠いてこれか。笑えるくらい酷い言い草である。
細かいツッコミ、反論は割愛する。(事細かに反論している人は他にいくらでもいる)
Webの影響力を完全に無視していて驚く。無視というか、知らないのだろう。まともにWebを使っていないのだ。ひょっとしたら、ニュースとかもまともに見ないんじゃないか。音楽関係以外のメディアに触れることが、ないんじゃないか。
山下氏の発言は、仲間内で喫茶店でワイワイやって出てくるレベルの言論である。酒も入ってそうだ。ただただお粗末。弁護士通せばよかったのに。そんな発想すらなかったろうね。未だにSNSの炎上=「便所の落書き」程度の認識だったのかもしれない。
傍観者ですら悲しく思えるのは、彼が作詞をしているらしい、ということだ。音楽に載せるとはいえ、言葉を人に届ける仕事をしている人が、この言い草か。子供っぽい身内感覚から一歩も出ていないじゃないか。こんな人の言葉が、未だかつて誰かの心に届いていたのか?うーむ。
ほんと、黙ってればよかったのに。
黙ってれば、ファンはよしなに察してくれただろうし、僕のような傍観者も「正しいとは思えないが、まあ、山下氏にも色々経緯と事情があるのだろう。この件で山下氏がとりわけ攻撃されるのも変な話だし」と勝手に納得し、いずれ忘れただろう。
彼の古くからのファンでも、今回の山下氏の態度に苦しんでいる方が多いようだ。
アーティストとアートは別である。切り分けて楽しんで良い。山下達郎の音楽が青春を彩ってきた人は、今回のことに蓋をすれば良い。とはいえ、そんなに簡単に割り切れないのだろう。
これから若い人が「お。山下達郎っていいじゃん!」と思った時に、彼の発言を知ったら「あ、じゃ、いいっす(タチの悪い老害やんけ。めちゃくちゃカッコ悪いやんけ」ってなるかもね。
若い音楽好きの目にも留まったことだろう。何年かして彼らが音楽に関わる仕事に就いたとしたら「山下達郎か・・・よしておこう」となるかもね。
ま、そうならない可能性もあるけどね。
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若い人や、周りの空気には、無条件でおもねり、迎合した方が良い、という話ではない。
若い人に何か言われてカチンときた時に「いや、ひょっとしたら俺は、既得権益にアグラをかいたみっともない老害になってしまったのではないか?」と自省してみるのは、正しいと思うのだ。
歳をとると、自分の判断や意思決定が、深みと歴史を持ち、筋が通ったものであるように思える。自分の生きた意思決定の連続が正しかったし、これからも正しいように思える。
でも「そうとも言えないよな?」と疑ってみることは大事だ。結局、人は間違えるものだから。
それにしても、ラジオでの話し方も、内容も、本当にカッコ悪かったな。あれは。