GWの最終日は、飯能ハイキングを卒業して青梅の赤ぼっこへ行ってみた。
10km程度の初心者向けコースある?と妻に聞いたら、このコースを提案されたのだ。登山コンシェルジュ(妻)がいると楽だ。先達はあらまほしきことなり。
先日のこと。
妻の山ザック購入に付き合った時、店の人が5割以上僕の方を向いて商品説明していた。買うのも熱心に試しているのも妻なのに。
(僕に説明してもしょうがないんですよ。興味ないんで)。と思いながらも神妙な顔をして聞くふりをした。店員さんは、旦那が購入意思決定のキーパーソンだろう、などと思い込んだに違いない。実際には財布も興味もないただの傍観者である。
僕は興味のない話を聞かされてなんとなく困っていた。
妻は妻で(この人に説明しても何にもならんのに)と思っていた。
店員さんは、山に詳しいかもしれない連れのおっさんが面倒臭いことを言いださないようにと、頑張って予防線張ってた。恐らくは。
誰もハッピーではない。
おっさんになると、どうでもよいところで気を遣われたり(というか敬遠されたり)してなんとなく困ることがある。ジェンダーバイアスはおっさんにとっても面倒臭いのである。
それはさておき。
青梅は「レトロな街並み」を推していて楽しい。
古い建物を壊して、高いビルを建て、周辺にチェーン店を並べる「再開発」には正直飽き飽きだ。青梅市のスタンスはとてもよいと思う。23区も見習うべき。マジで。
多摩川を渡る。
登り終えた時点で結構息が切れている。
大丈夫か。
登り切ってみると、ありがたいことにしばらく平坦な道が続いた。
足もなんとか回復。
空いていて気分がいい。ごーっという風の中を独り歩く。
自転車で走る人も。下りは楽しかろう。
二ッ塚峠。
「まんが日本昔ばなし」のトラウマ回にありそうな、悲しい由来があるようだ。
割と事務的な標識。そして、由来を記した看板が無惨だ。(代替えがあったが)
旧ってことは、新があるってコト!?
ずんずん歩く。馬引沢峠に到着。アップダウンはそこまでキツくなかったと思う。
林業?メンテ?のマーキング。塩ってなんだろう。
「おい!シオタ!この木お前の担当な!名前書いとくから!」みたいな感じで書いたのだろうか。
赤ぼっこ到着。
しばらくくらい林道ばかりだったので、開放感と眺めが心地よい。
遠くに見える丘のようなビル群は新宿副都心か。禍々しい雰囲気だ。
天狗岩に辿り着くまで「マジかよ!」と声に出たほどのアップダウンがあった。これでしょぼかったら許さんぞ!と悪態をつきながら岩を這い上がった。
なかなかの風景だったので許すことにした。
あとは粛々と降りるのみ。
シャガという花(何度調べても忘れる)。よく見かけるよね。
ひたすら山道を歩いただけである。
いまだに「何が楽しいんだろう?」と思わないでもないけれど、東京都心を10km歩くよりは少しマシである。アスファルトよりも凸凹した道の方が緊張感があって楽しい。ヒィヒィ言いながら坂を登るのも意外と楽しい。空気もいい。人もあまりいない。達成感がある。水、おやつ、食事もうまい。ああ、楽しくて当たり前じゃないか。
さらにリスクがスパイスになっている。
YAMAP(登山アプリ)があればそこまでひどく迷うことはないと思いつつも油断はできない。迷ったらかなり体力が削られる。
東京散歩と違って疲れたらその辺の地下鉄に乗って帰るというわけにもいかない。とにかくゴールまで歩くしかない。
低山ハイキングとはいえ、ちょっとした冒険なのである。