このブログを始めて自分がいかに偏見にまみれていたか気がついた。
半世紀近くこの時代の日本を生きた挙句、思考回路がある程度パターン化され、脳に固着してしまった。とも言えるだろうか。
若い頃だったら、これってどういうことだろう?と引っかかって、心の中でこねくり回し、ぐずぐずと悩んでいたのが、アラフィフになった今は「あ、そういうの昔あった。どうせ、今も同じでしょ」と一瞬で判断を下している。
結果的に正しければ「経験に裏打ちされた素早い判断」だが、そうでなければ「時代遅れの勘違い」である。
「老害」などという悪口がある。後者の積み重ねであろう。
ならば。と「アラフィフのおっさんがジブリ以外のアニメを熱心に見るのもいかがなものか」という固定観念を取っ払って、Netflixのアニメを適当に見てみた。これが面白い。
どれもまだ数話しか見ていないが※「チェーンソーマン」「ドロヘドロ」「鬼滅」「スキップとローファー」「ぼっちざろっく」などが気に入った。他にもまだまだありそうだ。見てない作品も多い。ちなみに「チェーンソーマン」と「ドロヘドロ」を固めて見たら寝つきが悪くなり悪夢を見た。健康に悪い。ほどほどにしなければならぬ。
※ この記事を寝かしているうちに「チェーンソーマン」12エピソード見終わった。面白かった。疲れた。でも面白かった。
それにしても、僕の子供の頃と比べたらアニメのレベルがめちゃくちゃ高くなってる。フェアな比較じゃないことは分かっているけれど。
やはりCGのパワーか。昔のセル画アニメと比べたらスゴイとしか言いようがない(おじいさんになった気分だぜ)。バトル描写もスゴい(語彙力の放棄)。それだけでなく、構想の大きさ、ストーリーの複雑さも洗練されている。困ったら新キャラ、みたいなあからさまな手口が目立たない。
アメコミ原作のハリウッド映画と比べたら、細部の辻褄が合わなかったり、強さのバランスがまちまちだったり(異次元に強いキャラのが次々回後にあっさり倒されたりとかね)と"あら"は目立つが、それも結局作品の勢いと魅力につながっている。ディズニーのように複数のアニメータの意見を擦り合わせて作る方法ではあり得ないだろう。
僕が見たアニメは「上澄み」かもしれないけど、それでもなお。
ハリウッド・ディスニー映画と、日本のアニメ、どちらが面白いか?と聞かれたとしたら、今は「日本のアニメの方が全然面白い」とうっかり力強く断言してしまう。この前ハリウッド映画に感心したのは「マトリックス」だろうか。ほぼ4半世紀前である。キアヌは好きだが「ジョン・ウィック」シリーズよりも僕は「ドロヘドロ」を推す。
営利企業として株主の儲けを最大化するために、寄ってたかってそれっぽいテンプレ作品を作るのがハリウッドで、株主なんか知らねーよ、もっと自分たちのワクワクするもの作ろうぜ。と、作り手の方々が一生懸命作っているのが日本のアニメ作品ではないか。だとすれば、後者が面白いに決まっている。
トランプみたいな嘘つきプロレスおじさんが大統領になるに至ったということは、アメリカという国がすでに相当ヤバかったということで、それはハリウッドの凋落と無関係ではあるまい。日本のアニメはポリティカル・コレクトネストは無関係に、健全かつ非健全に発展している。いろいろ問題はあるのだろうが、面白い作品が生まれているということは、良い方向に進んでいるのではないだろうか。