映画。
リモートワーク中にNHK BSで流れてきた。
ゲイでエイズのトム・ハンクスが法廷で不当解雇を争う話である。サポートするのは黒人の人権派弁護士デンゼル・ワシントン。
こりゃポリコレ映画だな、と。
ポリコレ映画に面白いものなし。
善悪がハッキリしすぎる。登場人物が類型化しすぎる。展開も読める。
面白くなる要素がない。BGMに流していたつもりが、チラチラ見るうちにさすがのトムとデンゼルの演技に引き込まれてしまい、後でちゃんと見ようと録画した。(仕事はしてますよ)
3日ほどかけて鑑賞。
面白かった。
日本に「ポリコレ」という言葉が広がる前の映画である。
デンゼル・ワシントン演じる弁護士はホモ恐怖症という設定だ。トム・ハンクスの弁護を引き受けた後でも、ショッピング中にゲイに絡まれて喧嘩になり「そんなだからゲイが嫌われるんだ!」とののしるシーンがある。
今時のポリコレ映画にそんなシーンはないだろう。
「マジョリティに傷つけられ抑圧された弱者(何か特殊な才能を持っていることが多い)」と
「無自覚に多様性を否定し人を傷つける加害マジョリティ(無能なのに恵まれ、思い上がっているパターンが多い)」に
くっきりと分けられ、マイノリティを尊重しない登場人物には惨めな展開が待っている。
デンゼル弁護士のホモ恐怖症が完全に消えた描写はない。「ゲイにも人権はある」という理性的な判断で動いている。
敵役となるのはゲイを嫌悪する白人老人金持ちである。しかし、そのグループにはゲイに同情的な人も入っている。また、ホモ嫌悪症の人たちを分かりやすい悪者にすることはない。ゲイだって人間じゃないですか。正当に扱われるべきじゃありませんか?意識は簡単に変わらない。でもだからといってゲイを人間扱いしないのはダメだろ、という話である。この映画のメッセージはまっとうだ。
大袈裟な描写はあるけれどそれはエンタメ映画だから仕方ない。納得がいく映画であった。
上から目線を感じなかった。ホモもヘテロも人間じゃねーか。と。
最近のポリコレ映画の方が、むしろ分断を煽っている気がする。
確か去年だか一昨年にもホモセクシャルをターゲットにした銃乱射事件が、アメリカであった。
何も変わっていないどころか、偏見は増しているのかもしれない。
トランプが差別主義者なのかどうかは分からないが(本人は否定しているようだが)、世論を分断し敵味方を分けて戦う、極端なポピュリストが支持を受けるアメリカは、どうなっているんだろう?リベラルは何を失敗したのだろう?などと考えさせられた。
ギレルモ・デルトロ「シェイプ・オブ・ウォーター」
アマプラ。面白かった。この監督の最高傑作だと思う。
やるせない孤独がメインテーマの一つ。
半魚人含め、どのキャラも(憎まれ役ですら)魅力的で、よく描かれている。
ストーリーも良い。
アキ・カウリスマキ「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」
アマプラ。くだらないコメディ映画。(褒めてる)
北欧のブルースブラザーズである。連想しただけで似てないと思うけど。
最初は笑えていたが、だんだん顔がこわばってきた。面白いは面白いが笑いどころが微妙。「ああ、ここは笑い所だな。あはは」と考えて笑っている自分を客観視するともうダメだ。
コメディって難しいのだ、と感じた。
テレビでも映画でもコメディに入っている「笑い声」。
あれはコメディの効果音としてはすごく有能だと分かった。
笑いどころが分かる。あれと一緒に笑ってりゃいいんだから。
効果音と一緒に脳死で笑うなんてバカみたいだけど、どうせコメディはバカになろうと思ってみるんだから、そんなんでよいのだ。
呆れたことに続編があるらしい。「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」だって。頑張って付き合ってみようと思っている。
安藤サクラ「ある男」
アマプラ。妻が見始めたので付き合いでみた。
佳作。面白かった。
ラストで妻が「え?何?どういうこと?」と混乱していた。
アニメ。
料理中に何となく流していることが多い。
「東京グール」「メイドインアビス」
Netflix。継続。
「姫さま拷問の時間です」
アマプラ。他愛のないグルメコメディ。
挿入音楽がいちいちナウシカのパロディなところにセンスを感じる。
「マッシュル」
アマプラ。馬鹿馬鹿しい(褒めてる)バトルギャグアニメ。
「佐々木のピーちゃん」
アマプラ。おっさんが小鳥経由で異能力を獲得し、もろもろ活躍する話。
あくまで腰が低い。ボキャブラリがサラリーマンなのもポイントか。
「ダンジョン飯」
ほんと、世の中コンテンツだらけだ。驚いてしまう。