予約調理はホットクックの売りの一つである。
しかしこれ、難易度は相当高いのではないか。
例えば「朝に仕込めば夜にほかほか出来立てメニュー!」シナリオ。
早朝に迷ってる暇はないから、前日にメニューを決めてできることは全てやって、朝は最小限の手順にしておく。週末には月、火あたりの仕込みを準備する、など。
もちろん、不可能ではない。習慣化すれば人間相当なことができる。体が勝手に動くようになる。それでも早朝に継続して予約調理を仕込める人には、相当の才能があるだろう。
とまあ、はなから当てにしてない機能だが、頭でどうこう考えてもしょうがない。やってみなくちゃ分からない。たまたま夕方用事が入って、たまたま予定メニューが「予約可能」だったとある日、予約調理を試した。
ブリのあらを熱湯に潜らせ、指で鱗と血の塊りを落とす。(面倒だけど大事)
大根を切ってブリ入れて調味料入れて予約ボタンプッシュ。
よきかな。
予約調理とは、調理の前倒しである。夕方の忙しい時に用事が入った。昼は手が空いている。調理の前倒しができたら助かるじゃないか。ぐだぐだ否定的なことを考えて申し訳なかった。何ごとも過度な期待は禁物である。
嬉しい副作用もあった。
予約調理は長時間煮汁に浸かるせいで味がしみしみなのだ。
このアメ色の大根。
これはもう二日目のブリ大根だ。
以前作ったサバ大根と比べてどうか。
サバ大根も悪くはない。しかしどこかサバと大根はよそよそしい。単なるシェアハウスである。知り合いの知り合いである。なんとなく混ざっているけど必然性を感じない。お互いが愛想笑いをしている。
それに比べてブリ大根。
ブリと大根、各々が主張しつつ、お互いを高め合っている。味のある熟年夫婦である。角が取れて、丸くなっていつつ、それでもお互いの個性は生きている。実に味のある組み合わせだ。
みたいなことを東海林さだおが書いてた気がするな。