料理にこだわる男は〈塩〉にこだわる
などというキャッチコピーを何度か見た記憶がある。
ヒマラヤ岩塩。アルプス岩塩。カスピ海の塩などなど。
塩化ナトリウム99.9%の精製塩はお呼びじゃない。
僕は料理にそこまでこだわらないので、使うのは塩化ナトリウムである。
肉に関して言えば、精製塩の量は重量の1%以下が目安である。
1%だと美味しいけどちょっとしょっぱい。0.6~7%だと肉の味が分かる美味しさ。
肉200gに対して、塩は1.2 ~ 1.4gあたりを狙う。
塩は小匙1杯で6gなので、小匙で調味するのは難しい。
僕は2.5cc(小匙半分)のスプーンを使って、すり切り一杯が塩3gの見当で調整する。
野菜に対する塩分量は一概に言えない。野菜炒めなら肉に濃いめの塩味をつけて、その塩分で野菜をもりもり食べると美味しい。美味しいかぼちゃは塩なしの水煮でも十分。油や酢を多めにすれば塩の量は控えめにできる。など。
逆にポテサラやおひたしには相当量が馴染んでしまう。マヨネーズよりカロリーが低いと思ってポテサラを塩で調味するのは危険である。おひたしやナムルもできるだけ直前に和えるのが良い。ちなみに、ナムルは油を多めにすると翌日でも美味しい。
いずれにせよ食材の味を突き抜けて塩の味が分かるほど入れてはいけない。
早死にするからだ。
塩にこだわっていた料理男子は無事だろうか。
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和食を作ってびっくりするのが砂糖の量だ。
醤油大さじ3に対して、砂糖大さじ3はごく普通である。
豆の煮物なんか、ごはん茶碗山盛りの砂糖が入る。何なら2杯入る。マジです。
塩と違って調味料の砂糖を危険視する声は小さい。
砂糖大さじ3入るレシピは大抵3人前だから一人当たりは減ることになるし、全て体に入るわけでもない。白米やら芋の糖質量から考えると誤差なんだろうね。
砂糖は塩と違って大量に入るから、味の違いが出る。
だから僕は砂糖には少しこだわる。
塩にこだわる料理男子はカッコいいのに、砂糖にこだわる料理男子はカッコわるい気がするのはなぜだろうか。
塩を舐めるとなんか苦み走った感じの渋い顔になるのに、甘いのを舐めると頬が緩んで、ニヤつくからだろうか。
それはさておき、やはり料理にはそれぞれに適した砂糖がある。
基本は粗製糖
きび砂糖とか甜菜糖で精製度が低いもの。いい意味での「雑味」とコク、優しい甘さがある。通常の煮物には何も考えずにこれを使えばOK。ただし割高。
白砂糖
すっきり鋭い甘さ。体に悪そう。
色を付けたくなかったり、ストレートに甘くしたい時に使う。
さつまいもの甘煮、甘酒に。
三温糖
白砂糖より少しコクがある感じ。
粗製糖が若干高価なのでその日の気分で代用する。
豆煮は大量に使うのでこれ。
ザラメ糖
高価。こってりとした甘味。カラメル風味。煮詰めやすい(気がする。
醤油、味醂、酒、ザラメ糖、1:1:1:1を煮詰めると「焼き鳥のタレ」になる。魚、鳥、レバの照り焼きに。
さっぱり系のコーヒーに入れるとコクが出て美味しい。スーパーで売ってるキーコーヒーの青(スペシャルブレンド)や緑(キリマンブレンド)など。ドトールやエクセルシオールの少し主張があるコーヒーにはグラニュー糖で十分だ。(個人の感想である)
腐るものではないので気長に使える。
常備して使い分けると楽しい。